ライセンス取得実践段階(1)
あこがれのヘリコプタ−が目の前に有ります。嬉しいですねえ。おもわず微笑みが出てきます。
外国人のメカニック(整備士)に実地現場の飛行前点検の仕方を教えを乞います。
そして、質問をしてゆきます。
徹底的に納得出来るまで。時間いくらの有料ですが、頑張りましょう。
飛行前点検終了、教官と搭乗、デモストレ−ションフライトが始まりました。
一通りのヘリコプタ−の飛行を終えて
教官が機体を接地します。
ニヤニヤしながらやってみる?(ユ−ヘィブ)。
イェスサ−、アイ、ハブ・コントロ−ル。
(操縦桿の責任を持ちますという意味で、機長と副操縦士の交代にも使います。)
パワ−を上げてジワリと浮上。ホバリングして見せます。
自分自身ここまで、出来るとは思いませんでした。
やはり間違いではなかった。同じ感覚だ。
すでにやってた事だと実感しました
教官が悲鳴とも、訳の解らない声を上げています。
つまりラジコンヘリコプタ−の操縦桿?
実機式は実機のホバリング練習時間を限りなく短くしたるという体験をしました。
ホバリング練習に、普通10時間位は最低使いますよね。
ヘリコプタ−のフライトはホバリングに始まり、
ホバリングで終わるというぐらいです。
接地後、教官、お前出来るではないかと、言っています。
しかも少し興奮気味に。
それから以後の訓練は想像に任せます。
この事から、私のヘリコプタ−トレ−ニングはホバリング練習と
いう項目はメインには有りませんでした。
万事、今日どのようなフライトしたい?と。
教官から聞かれ、とても楽しいものでした。
オ−トロ−テ−ションなど、実際本当にエンジンを止めてやってくれるのには、
少々驚きもありましたが、何度も体験出来て良かったです。
宙返りもしてみるかねと、聞かれましたが、心の準備無し
そしてメインロ−タ−が吹っ飛んだり、テ−ルブ−ムに当たると、と思うと
怖くて断りました。
今思うとからかわれていたのか、
本気でそれだけの事が出来るパイロットだったのか謎です。
現在なら、よろしくお願いしますと即答すると思います。(笑い)
『私が帰国後ヒュ−ズ500Eの機長訓練の時、
大阪から慣熟飛行訓練教官に来られていたパイロットがおられました。
カルト主催のラジコンヘリコプタ−大会で優勝した彼も、操縦桿に触れる機会がありました。
同じ感覚でフライト出来たと言っていました。
パイロットはお主できるなと、言われて、
離陸と着陸以外は全部、操縦桿持たしてくれててたそうです。』
座学は、渡米(留学)前に出来上がっていることが必要です。
向こうにいけばなんとかはなりませんからそのつもりで
フライト訓練の終了後教官は、エニイ、クェションと聞かれます。
フライト前に質問内容は良く検討していてください。
フライト後は、椅子に座って、今日あった事を思い出します。
そして、その操作を手振り足振りで、やってみます。
宿舎に帰っても、ベットを前にしてくり返し繰り返し、自分の潜在意識に入れてゆきます。
部屋掃除の叔母さんが不思議そうに見ていましたね。
そのようなペ−スですから、なんとかはならないと申し上げたのです。
他の訓練生も飛行していない、機体が駐機されているときは、
すかさず整備士さんの許可をもらってコックピットに入りました。
一番生きた、操縦練習の想像訓練(イメ−ジトレ−ニング)になります。
訓練開始後、一月目の日に
FAAの試験官と卒業試験フライトを受けることが出来ました。
結果はご想像通り合格で、
その日からヘリコプターパイロットとして飛行する事が許されました。
ライセンス取得実践段階(2)心構え編
自動車免許ならば、初心者マ−クを車の前後に貼って、好きな所を走ることができるのですが。
飛行機とかヘリコプタ−はそうはいきません。まだ、あるのかって?そうです。今、貴方は旅の半ばです。
貴方が仮に飛行機なりヘリコプタ−を購入された方だとしても、一人での飛行はおやめになるのが賢明です。
航空事故を起こして、機体を壊したり、怪我あるいは死亡につながる可能性は大きいです。
これから、少し別のお話をしましょう。
日本には、世界の人々、特に科学者の頭を悩ます素晴らしい仕事があります。
ニワトリのひなの性別を99.9%以上の正確さで判定できる人がいます。
常識的にあの雛を、雄と雌にわけることは困難極まりないことです、皆様ならどうして見分けられるようになられますでしょうか。
現代の科学の総力あげてでも、この鑑別士のレベルにはなりません。
鑑別士になるよりほかはなさそうです。鑑別士自身も判別方法は実はわかっていません。見ただけでわかるそうです。
この説明のつかない部分のお話です。
ひなの体型、歩き具合など、判断材料の、一部にしかならないこの仕事。どうマスタ−しましょう。
自分自身が切実にヒヨコ鑑定士になりたいという気持ちがあって始めてなしえることです。
※ ここからのお話はわかりやすくを主眼で、喩えで書いています。
※ 実際の訓練は違います。
鑑定のできる素晴らしい先輩鑑定士の後ろにたちます。
先輩の前を雛がピヨピヨと一列に歩いてきます。
先輩は手でオスとメスに振り分けます。
鑑定士志望者は心で次はオスその次もオス、そしてメスこんどはオスと分けます。
初めはほとんど合わないでしょう。
それでも、来る日もくる日も頑張って心で分けます。
ただ、ひたすらに鑑定士になろうという気持ちが入っていないとできないのです。
いい加減な心構えでやっても成果なしです。
ある日、突然、先輩の振り分けと、自分の心の振り分けが合致するようになりました。
先輩に出来るようになりました。席を替わって下さいと伝えます。
先輩が鑑別士志望者の後ろにたって、彼の勘の正確さを確認します。
何千羽のヒナが正確にわけられた時、一人の鑑定士が誕生した訳です。おめでとうよく頑張ったね。
先輩の暖かい支援の賜なのです。新しい鑑別士にも涙、勿論教えた先輩も涙です。
科学の最先端技術で開発された、飛行機、ヘリコプタ−も、このような世界があります。
機長と副操縦士の関係、先輩パイロットと後輩パイロット、天候は千変万化します。目的地に行くル−ト。高度。
日没時間後の夜間飛行等、機長がどのように飛行するのか、どのように情報収集するのか、集めた情報をどのように生かすのか
機長との飛行中の色々な会話、色々な機長との会話が、この天候なら、目的地に安全に着陸出来るという、勘と技量を育む訳です。
この教育時間が必要なのです。先輩パイロットが頭に描く飛行方法と目的地に無事に着陸するまでの考えかたの一致ということ。
( フグの毒はここなのだよ、ここはこのように取って、
こういう具合に料理するんだよ。見てな。やってみせるから。)
今の日本では飛び方にも依りますが最低1000時間以上の飛行時間と言われています。
技量査察パイロットに、先輩パイロットが彼は大丈夫と太鼓判押されて、技量審査、筆記テスト、口頭試問、人間性の面接試験に
合格して、始めて貴方は大空を自由に飛べるパイロットになれた訳です。
余談ですが、アメリカ人に言わせれば、過去の戦争に君らが負けたのは、優秀なパイロットを大切にしなかった為だと言います。
撃墜されても捜しにも行かない。軍艦から水上機をカタパルトで打ち出して、任務後は海面に着水した機体をクレ−ンで艦上に回収
その着水失敗の時は、爆雷で機体を操縦士もろとも破壊したそうです。
あげくの果ては、標的感知人間搭載ミサイル(戦闘機に爆弾をくくりつけた)に、歴戦のパイロットを搭乗死させて戦争を継続しました。
ただ飛行機に乗れればではないのです。
頭の硬いお役所仕事の人々には、理解の出来ないことですね。諫早湾も何処そこのダムも河口堰も不要と言うのに(笑い)
全力を挙げて、予算という名の血税を使う。大切にするものがない目に見えるだけの人生。時間から時間迄をつぶせば良い。
仕事をする人の足の引っ張り合い。可哀想な貧弱な発想。生きいきしたまなこを、役所で見たことは有りません。
話し変わって、ブリッテッシュ・エアライン(大英航空)ジヤンボの機長が飛行中に、心臓マヒで亡くなったことがありましたね。
副操縦士が無事、成田空港に着陸させて事なきを得ましたが。彼の内部に機長がほとんど育って居たのでしょう。